2016年5月19日木曜日

ホンモノに触れる 水田美術館とミュゼオロジーの授業

水田美術館で「JIUコレクション展」が始まり、「ミュゼオロジー入門」の授業で見学しました。


開館15周年を迎えた水田美術館では「JIUコレクション展」が始まりました。「ミュゼオロジー入門」の授業では、学芸員の山口先生に解説していただきながら、第1期の展示を見学しました。

第1期の展示は「浮世絵と近代木版画」。これが4つのテーマに分かれています。入口から順序どおりに見ると「大正新版画」「創作版画」「房総ゆかりの浮世絵」、のぞきケース内の「子ども絵」です。

「大正新版画」「創作版画」は、浮世絵をよく知っている人なら、近代日本の木版画が西洋の影響を受けながらどのように展開していったか実感できる作例です。創作版画には、19世紀末の西洋オリジナル版画の流行からの影響が感じられますが、その西洋近代版画は日本の浮世絵から大きな影響を受けていたことを考えると、文化の相互関係がとても興味深い。

しかし山口先生は、「見学初心者」の多いメンバーのことを考え、まず「房総」コーナーで伝統的スタイルの浮世絵を眺めてから「新版画」へと解説されました。

「房総」「子ども絵」などのテーマには、JIUコレクションの特色の一端がうかがえます。

展示や展覧会は、作品一点一点をじっくり鑑賞することも大切ですが、展示全体がどんなコンセプトで構成されているか、どんな文脈を持っているかを考えると、また新しく面白いことが見えてきます。

とはいえミュゼオロジー「入門」の授業なので、まずは少しでも多くの「ホンモノ」に触れることが大切でしょう。

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